昔から度々考えるテーマである「マーケティングって一体なに?」ということについて書いていきたいと思います。

ビジネスパーソンの皆さんであればこのテーマ、一度は考えたことないでしょうか?
そして一言で言い表すのが難しいと思うはずです。それに対して、営業はわかりやすく“売り込み”と共通認識として理解されています。

僕自身、経営をするようになってからマーケティング業務全般の舵取りをせざるを得ない訳ですが、もともと営業出身でマーケティングを習ったこともなければ、キャリアの中でマーケティング部門に所属したこともありません。

改めて企業におけるマーケティングの役割、もっと言うと“本質的な正体”について自分なりの考察も踏まえて今回は考えてみたいと思います。

抽象度の高いマーケティングの概念

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Wikipediaで“マーケティング“と調べると、一番最初にこのように書かれています。
「価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組み」
それっぽく理解したような気にはなりますが、謎は深まる一方です。

BtoBマーケ業界で有名な教科書 “The Model”によると、マーケティングの定義は「潜在顧客の獲得」とされています。(図参照)

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これは定義としてその通りです。BtoBの生命線は見込み客の獲得ですからね。

我々BtoB業界でマーケティングと聞いて思い浮かぶワードは、市場調査、宣伝広告、PR、集客、商談獲得とこの辺りではないでしょうか?

さらに特徴として、様々な名詞と併用して使われることが多いですよね。
テレマーケティング、メールマーケティング、Webマーケティング、コンテンツマーケティング・・・これらが“セールス”に置き換えられることがないのは不思議ですよね。

マーケティングの本来の姿(正体)

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では一体マーケティングの正体とは何か・・・
私なりの解釈ですが、一言で言い表すと
「セールスをなくすこと」だと思っています。

非常にシンプルですが、営業を20年、起業から数えてマーケを7年やってきてこう思うのです。
一見、AIが営業する世の中になるとか、人手不足による営業の自動化にも聞こえますが、根本的にそれとも違います。

営業の目的は「売り込み」と先ほど表現しましたが、それは本来サービスや商品のメリットを営業マンが翻訳し、相手を説得し購買の意思決定をしてもらうまでが営業という仕事だからです。

営業の標準化が難しいのは、この“気の利いた言葉の翻訳”と“顧客への説得”という二つの属人的スキルが再現性の難易度を高めているからだと言えます。

マーケティングの正体と大袈裟に書きましたが、BtoB業界ではまだそこに至っていないとも感じています。目指すべき理想像というべきでしょうか。

それはもう少しかみ砕くと、こうなります。
優秀な営業マンが説得しなくても、顧客ニーズに対してダイレクト訴求し、意思決定までさせる。

これがマーケティングの役割であり、セールス(売り込み活動)をなくすことではないかと考えています。

顧客は自らのニーズに対してサービスや商品を選び、意思決定をしているわけですから、売り込みのフィルターが一切かかっていない状態です。
そうなると、企業はサービスや商品の品質を磨くことで顧客満足度を高め、継続利用してもらう努力が必要不可欠となってきます。

企業も営業コストを品質向上に向けられるので、この循環は双方の利害を一致させ、顧客満足度を高めることができるので理想的です。

BtoCでは売り込み不要が加速している

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少し余談ですが、BtoC業界では既にこの“売り込み不要の流れ”が加速しています。
その代表格がインフルエンサーの存在です。これこそ、販売員(売り込み)不要の究極モデルかなと思っています。現在はで店舗で接客する販売員の役割が減り、インフルエンサーがその役割を担っているとも言えます。彼らはYouTuberという鎧を着た一流マーケッターです。
彼らの登場でD2C(Direct to Consumer)市場は大きな盛り上がりを見せています。

身近な例ですと、ユニクロの新作をYouTuberのLookBook動画から知り、概要欄のオンラインストアで購入。店舗は商品を受け取る場所と変わりつつあります。

この購買行動の変化から見てわかる通り、ユニクロは接客スキルが高い販売員がいるのではなく、売り込み不要のマーケティングが優秀であるということがわかります。

その分、品質もデザインも値ごろ感も年々驚くほど飛躍しており、見事なまでに我々消費者にも還元されています。まさに売り込み不要の究極モデルですよね。

このように、マーケティングの役割はインターネット、SNSの普及とともに大きく変貌を遂げてきました。BtoBではまだまだ“セールス不要“とまではいきませんが、BtoCの流れはいつも遅れて、そして必ずやってきます。

優秀な営業マンの属人スキルも大事ですが、営業とマーケティングの在り方も時代とともに変化していきます。あたりを見回すとマーケティングを制している企業がその市場のマーケットリーダーになっていることが顕著です。

このあたりの動きをしっかりとキャッチアップしつつ、企業のマーケティング活動にも反映していけたらなと思っています。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。

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新井 学@BizLinks|ほぼフルリモート経営

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