近年、インサイドセールスはBtoB業界で市民権を得るようになり、この業界に身を置く者としてとても嬉しくまた感慨深く思います。

このブログをご覧頂いている方は業界のマーケティング、セールス、マネジメントの方が多いと思いますので、初級向けのインサイドセールスの概念などは割愛させていただきます。
※概念を知りたい方は「インサイドセールスとは」でググってみてください。

僕がこの業界に携わって約10年ですが、インサイドセールスを社内でも行い、営業支援サービスとしても様々な案件に携わってきました。
タイトルにある通り、インサイドセールスについて『誤解』が多いと日々感じております。今回僕の視点になりますが、3つの観点で考察してみたいと思います。

1.アポ取りが仕事ではない

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“インサイドセールス”と検索すると、「テレアポ」、「辛い」などのワードがサジェストされます。これを見るに、世間的には新規リストへお電話しつづける『アポ取り係』のイメージ強いと感じます。
勿論、アポイント獲得も一つの成果ではあることに異論はありません。

以下の図の通り、インサイドセールスは長期的なコミュニケーションを行う「見込み顧客の育成」がメインの仕事です。

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世間で言う“テレアポ“は顧客の興味関心に関わらず、トークスクリプト(マニュアル)を駆使し、コール数を担保してアポイントを獲得します。
これに対しインサイドセールスは興味関心を啓蒙し顧客のタイミングに合わせて最適なコミュニケーションを行っていく活動です。

テレアポとの違いについて僕は以下のように整理しています。

  • ☑インサイドセールス:見込み顧客に寄り添うマーケティング視点
  • ☑テレアポ:見込み顧客を探し出す営業視点

インサイドセールスが普及した背景として、デジタル化による顧客の購買行動の変化も大きく関係しています。「提案機会さえあれば何とかなる」という営業手法はもう何年も前から通用しなくなっているのです。

更に「アポイントの質」という言葉がついて回るようになってきたと思います。
これは顧客に寄り添い、ニーズを引き上げるインサイドセールスがテレアポに代わり主流になってきたからだと言えます。

2.新人の仕事という思い込み

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インサイドセールスを「アポ取り係」にしてしまうと、“新人営業マンだけがする仕事“になってしまいます。
確かに、同じことを反復することで営業に必要なメンタルは鍛えられますが、“顧客に寄り添うという視点”はテレアポで養うことができません。

ここで言いたいのは、インサイドセールスは営業の下位互換ではないということです。

20年前、僕が新卒だった頃はこれでも良かったというか、こうあるべきでした。
電話帳と固定電話でデスクに噛り付いてノルマのアポを取るという世界観です。
この営業手法でBtoB業界でも成果は出ていました。
まさに新規営業と言えば、テレアポか飛び込み営業が主流だった時代です。

10年前から営業も顧客もデジタルシフトが加速し、一昔前のように無理やり話術でアポイントをとっても、成果が出ないことが我々営業も肌感でわかるようになりました。

そこにきてMA(マーケティングオートメーション)が海外から導入され、メール、Web、コンテンツなど“電話以外のデジタルコミュニケーション”の活用で複合的なセールス活動をすることが主流となっていったわけです。

これが皆さんご存じの通り、現在のインサイドセールスの原型です。
「アポ取り係」と思い込んで現在のインサイドセールスを実装すると、それは既に20年も昔の概念であり、新人営業マンや営業アシスタントに丸投げしても当然成果は出ません。

3.魔法の杖ではない

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インサイドセールスの本来の目的、多岐にわたるスキルが必要である仕事であるとここまで2つの誤解について書いてきました。もう一つインサイドセールスを取り組む上で押さえておきたいポイントがあります。
“インサイドセールス導入自体が目的化”していないかということです。

当社は営業特化のオンラインアシスタントサービスを運営しており、様々な企業からインサイドセールスやマーケティングのご相談を承ります。
ご相談を伺っていて特に気になるのがこの点です。インサイドセールスは決して“魔法の杖“ではありません。

基本的に営業プロセスの分業化になるので、片手間で始めるとかえって工数が増えることになります。
チーム運営、システム導入、スタッフ教育などコストが嵩み、費用対効果を上げるどころか逆効果となってしまいます。特に立ち上がりの人件費と教育コストは重いです。

当社にご相談いただくケースで多いのは以下の2つのパターンです。

  • ☑自社で取り組んでいるが、リソース不足とノウハウ不足で理想的な運用ができない
  • ☑営業代行会社に外注しているが、費用対効果が感じられない

当社ではまず、どのフェーズでインサイドセールスを実装するべきかをクライアントへ確認するようにしています。下記図は弊社のサービス資料から抜粋したものです。

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決して魔法の杖ではないということを押さえつつ、“顧客に寄り添うインサイドセールス”を自社のマーケティング戦略に合わせて最適化することがポイントです。

“インサイドセールスについて3つの誤解“というテーマで書きました。
当社ではこのようなお悩みにお答えできるよう営業に特化したオンラインアシスタントサービスを運営しています。

インサイドセールスに取り組みたいけど自社のリソース不足、費用対効果を懸念して導入に踏み切れないという課題にずばりお応えいたします。
事例をもとに最適なプランニングをさせていただきますのでぜひお気軽にお問合せください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。

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新井 学@BizLinks|ほぼフルリモート経営

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